2009年11月19日木曜日

オリジナルハンマー リング無しチタンヘッドモデル

本日新しく出来上がったハンマーを出荷しました。
ショートタイプで、楽器の音色を最大限引き出す腕をもった調律師による設計のハンマー。(ある意味使う人を選ぶ形状で一定の握り方しか出来ません。)
これは、とあるスタインウェイの調律師の設計で作られたハンマーです。
カーリーメイプルにシャフトはいつものチタンシャフト、初出荷の最新7.5度チタンヘッド。
今出来る、最高の組み合わせだと思われます。
おそらくこのハンマーで調律された音がCDになって皆さんの耳に届くでしょう。

2009年11月12日木曜日

チューニングハンマー 割れ止めリングの考察

今までのチューニングハンマーのリング(割れ止め)ですが、強度、耐久性を考えステンレスを使用していました。サイズはスリムなハンマーに合うよう○IBIKIのハンマーと比べ、見た目にもすっきりと、スリムに見えるよう少し長めのサイズになっています。
数本リング無しのハンマーを作りましたが、確かに楽器の響きが違います。
リング無しのハンマーに匹敵するリング付きのハンマーを作製するべく研究中です。
細いシルバーのリングをまず付けてみたいと思います。

チューニングハンマーのチタンシャフトについて。

シャフトの主な素材にチタンを採用していますが、チタンは錆びず、軽く、強度があり、繰り返しの曲げにも耐える素材です。
曲げに耐え、なおかつ硬すぎず、調律師の要求に答えるタッチ感、そして、楽器の音色を阻害しない軽さを備えたハンマーを作りには最適な素材で、太さは12ミリ、ネジはヘール、アプスコの規格で作っています。

ヘール、アプスコ、シャフの規格で作る事により、パーツ(ヘッド、チップ)が入手しやすく、今まで使用していたヘッド、チップをそのまま引き続き使用出来る事。これを重視して作ります。
ネジはテーパーネジで、ヘッドに入れて締め込んでいくとストレートネジの場合底に付いてきつく締まりますが、左右の動きに対してはガタが出ます。
テーパーネジは管規格のネジなので、液体、ガス等が漏れないような嵌め合いになっていますので、がたが出ず、正確なタッチで調律するには最適なネジです。
メーカーによって規格が違いますので、取り付けられるヘッドが決まってきます。
手で締められ、緩んでこないのがテーパーネジの良い所です。
正確なテーパーネジはレンチ等で締める必要はありません。



スプルースハンマーの耐久性について。

スプルースハンマーの耐久性を試している最中ですが、以前作った事のあるメイプルの割れ止めリング無しのハンマーは亀裂も入らず問題ないのですが、昨日作ったスプルースの割れ止め無しのものは調律一台目で亀裂が2本入りました。
やはり割れやすいです。
音色は、楽器の持っている音色を脚色しない素直な音色でした。
作ったハンマーの形状がスリムなタイプだったので割れやすかったのだと思います。
次回はリング付きで作りたいと思います。
リングの材質でも音色が変わると思いますので、ステンレス、真鍮(ブラス)、シルバー(925か950)チタンで試してみたと思います。


2009年11月5日木曜日

新作 チタンヘッド 7.5度完成



新作の7.5度のチタンヘッドが完成しました。
チップはイトーシン規格、シャフトは当方オリジナル、もしくはヘール。アプスコのヘッドと同規格で製作致しました。
今までのヘッドには5度 10度 15度 はあったと思いますが、GPで座って調律する場合に感じていた『10度だと少しハンマーの角度が高すぎる』と言うのが7.5度だとかなりしっくりきます。
かといって立って調律した場合でも不自然な感じは無く、UPの時もハンマーを水平に動かせ、ユニゾンの保持もかなり良いです。
ソフトなタッチのステンレス製ヘッドとタッチが全く違い、リアルタッチです。
今までのヘッド、ハンマーでは感じていた『たわみ』、『ピンのネジレ感』をチタンシャフトとチタンヘッドで、より感じるのかと思いきや、感じないほど、ソリッドでダイレクトな操作感。特に次高音からの調律のスピードも上がります。
音色もクリアーな雑味の取れた音色。オーディオマニアの方なら分かると思いますが、電源コード、スピーカーケーブルをグレードアップした時の静かな綺麗な音色に変わります。
一度使うと元には戻れない操作感覚と音色だと思います。
貸し出し用サンプルございますので、ご連絡ください。
返却時送料はご負担ください。

レギュラーサイズのスリムペアタイプ、ヘールタイプのスプルースハンマーのテスト開始しました。
スプルース材のハンマーの音色は他の素材に無い明るく、楽器そのものの音色を引き出すのに最適な材だと思います。問題は強度です。
1000台調律して問題なければいけるはずです。たぶん。