2009年8月30日日曜日

音の違い

今日グランドピアノ4台調律しました。
何度もチューニングハンマーを交換しながら、音色を確かめながら行いましたが、どうも重さでの変化よりも、材質による変化の方が大きいようです。または、触り心地か?見た目か?
明らかな違いはメープルと黄楊の音の違い。黄楊の方が明るく明瞭な響き、メープルはしっとりとした響き。まあ暗い音と言えばそれまでですが。キャラが違いすぎて考えさせられました。ハンマーの重さは約20グラム違いでメープルの方が軽量、同じシャフトに同じヘッド、チップでグリップの形状は同じでした。

ハンドル形状

自作ハンマーを作り始めて、現在に至るまで合計3種類のエンド形状を作ってきた。
ストレートののヘールタイプ、少し膨らんだスリムタイプ、スリムタイプに近い形状のさらにスリムタイプ。
最後のは自分には合わず、2本削ってその後は削っていない。
形状による音色の違いは今のところ感じてはいないが、グリップより出ているシャフトの長さの方が音色に直接関係していると思われる。
基本的にヤマハ純正ハンマーと比べて多少短めで軽量な設計の為、ピンのネジレや動きは分かり易い。
シャフトの長さは5センチ程度出すのが今のところスタンダードだと思われるが、使う人によってはさらに10ミリ~15ミリ出して感触を確かめて見ると良いと思う。もちろん70ミリ以上出してもダイレクト感はほとんど損なうことなく伝わるが、その分グリップ先端までの距離が長くなってしまい、ピンに重さが乗ってしまうので、少し音像がぼける気がする。いずれハンマーは短いに越したことは無い。

2009年8月27日木曜日

感想

昨日完成したハンマーを使ってみた。(カーリーメープル)
オイルフィニッシュのオイルがまだなじまず、さわり心地がびみょ~です。
音色は手持ちのハンマー3本、バーズアイメープル、パオロッサ、黄楊、と比べて、みました。
本日のピアノG3E古い楽器でCシリーズと比べ華やかさはありませんが、丸い粒立ちの良い音のピアノでした。カーリーメープルのハンマーは、差した時に音色がつぶれず、3本中一番変化が少なくナイスでした。
まだまだ使い慣れてないのでもう少し使ってみたいと思います。

2009年8月26日水曜日

カーリーメープル

今日は休みだったので、オーダーの入ったハンマーを削り出し、仕上げをして新しくバーナーで炙り杢を出す手法にチャレンジしました。結果は失敗。
こののフィニッシュは熱が高すぎるため、割れが生じてしまいうまくいかないようです。
又自分のハンマーが増えてしまった。(笑)
はよ注文の品を仕上げなければ。。炙った後は蜜蝋で仕上げました。
最近はメープルのオーダーが立て続けに入り評価が高いので、メープル中心に削ってみようかと思っています。メープルは削っているときの匂いが余り無く、安心できますが、花梨やローズ他色付きの木材は削るときにかなり臭いです。

2009年8月24日月曜日

現在使用しているハンマーについて、、、ひとりごと



今主に使っているチューニングハンマーはチップ:イトーシン Y2 ヘッド:アプスコ ショート10°
チタンシャフト グリップ材:黄楊のスリムペアタイプとメープルのストレートタイプ。黄楊のピンに差した時の音ですが、他の材を使用したハンマーと比べても音が良く聴こえます。なんというか、黒檀や、インドローズよりも軽いためか、聴きたい音が聞こえてくるハンマー素材です。実際に同じ楽器で割り振りの時点で違いが良くわかり、調律が終了したときの低音~高音までの音色のバランスやまとまり感が、良いです。人によってこの違いは違う風にもとれますので絶対という事はありませんが、今日現在、音色の変化は感じ取れています。
メープルは黄楊よりも明るい音色が特徴的です。高音の倍音が多いというかコーンと響く音色です。
材料がなかなか手に入らないのが残念です。
共通するところは音が聴き取りやすい所です。最近は黄楊ばかり使っていて、メープルは20台に1台程度の出番です。
写真の2本ともヘッドの先端までで250ミリシャフトはグリップ付根よりヘッドの首したまでで60ミリグリップ長は175ミリです。多少抜き差し出来ます。
材質のチタンですが、はっきり言って軽く、固いです。しなりを余り感じず、またハンマーの重さも感じずに、ダイレクトにピンの状態を、動きを感じられます。もし使ってみたい方はご連絡ください。サンプル送らせていただきます。(^-^)
サンプルと商品は軽量なホンジュラスローズウッドです。長さは全長260ミリ、形状はヘールタイプとスリムペアタイプをご用意してあります。

現在、スプルースを使用したハンマーを製作中です。
完成したらアップします。




2009年8月23日日曜日

独り言

朝から調律で午後は修理、どこへ行ってもテレビに高校野球。
残念ながら岩手県勢は負けてしまいました。でもどこかで残念セールやってないかな?

今日の調律は納調でした。自前のハンマーは新品のピンの動きもわかりやすく、新品納調の時間が以前より短縮出来ます。

自作のハンマーのネジについて。
ヤーン、シャフ、イトーシン、現在のヤマハ、ワタナベ、ヘール等々シャフトに切ってあるネジは管用のテーパーネジが採用されています。調べたところネジのピッチは共通で全て同じ規格でした。がイトーシンのみ太さが違います。これをクリアする為に太さを変えて作成しました。また、いろいろなところで言われますが、2山〜3山程度ヘッドの付け根からネジ山が出ます。これには理由があって、テーパーネジは締め込んで行ったときに、ネジの先端が奥についてしまったり、ネジ部が見えないようにぴったりと首の部分がヘッドについてしまうと、密着性にかけ、テーパーネジ採用の意味がなくなってしまいますし、ピアノから伝わる振動が手に伝わらない事になります。
試しにハンマーのヘッドを指にかけてぶら下げて、グリップ部分を中指で弾いてみてください。余韻が残るような響きがあればしっかりとシャフトとヘッドが密着してガッチリと止まっている証拠だと思います。
少しでも緩んでいると響きません。いろいろなシャフトを作成して試しましたが、首で止まっているものに関してはシャフトが緩み易いというがあると思います。が反面見た目が良いと言う良いところもあります。いずれもヘッドの雌ねじとシャフトの雄ねじの精度問題だと思います。



2009年8月22日土曜日

初めてのブログ。


誰も読んでいないであろう、初めてのブログです。
調律を始めてかれこれ3本ハンマーを替えまして、その3本目のハンマーのグリップのレプリカを作ろうと初めたチューニングハンマー作り。何ならいっそのこと軽量に仕上げてみるかと。
今では合計で50本ぐらい作りました。最初は何も考えず形のみにこだわり、作り始めたが、材料選びでは偶然選んだ素材が、すばらしく、今では好評でうれしい限りです。
自分の中ではシャフト、グリップ、ヘッド、チップ四個に分かれるが、自分はグリップとシャフトしか作っていない、理由は、、、当時ヘッドとチップには不満は無かったからである。まったく無いと言うとうそになるが、チップは精度がよければ良いに越したことは無いが、、
まあそのときは今使っているヘッドとチップを生かして納得いくグリップを作りたかっただけでした。
最初の一本は試行錯誤しながら、高価な材料を使い削っていったわけですが、まあ当たり前のように失敗の連続。うまくいきません。結局3本だめしてようやく完成。シャフの伸縮式ショートタイプのレプリカです。今でも必ず工具カバンに入れてあります。たまに持ち替えると初心に戻れます(笑)調律しているといろいろな事を考えながら、あの人はこんなこと言ってたな~と思い出しては試してみて、やっぱりわからん、の毎日です。まあ自分ごときがすんなりわかるほど浅くはないです。日々勉強勉強。そして上の写真は19世紀のピアノ、オルガン職人の工具カバンだそうです。いつでもこうでありたい。
画像はギズモードジャパンより拝借。